[読書]恋文の技術

森見登美彦氏の「恋文の技術」が面白いです。元々森見さんの小説が大好きでしたが、今はこれと「ペンギン・ハイウェイ」が僕のお気に入りTOP2です。

氏の小説らしく、京都のダメな理系大学生が主人公です。wikipediaによるとこんな感じ。

クラゲの研究のため、京都から能登半島の付け根にある人里離れた実験所へ送り込まれた大学院生。「文通武者修行」と称して、友人・先輩・妹などへ大量の手紙を書き始める。将来の目的は、手紙一本で女性を篭絡する「恋文の技術」を会得し、恋文代筆のベンチャー企業を興すこと。

この小説が特徴的なのは、書簡体小説というスタイルを取っており、すべて主人公と受け手の誰かとの手紙のやり取りを通して物事が進行していくところです。えーそれって読みにくそうだし本当に面白いのと疑問に思われる方も多いと思いますが、騙されたと思って読んでいただきたい。手紙のやり取りを通して、あまりにも馬鹿げていてニヤニヤ笑ってしまう主人公の毎日がいきいきと伝わってくる、本当にオススメできる小説です。主人公は恋文技術を会得し恋焦がれる彼女に気持ちを伝えられるのか?もちろん娯楽小説なので何かの示唆を得ようとか思っちゃいけません。

特に「失敗書簡集」の章は面白すぎて本当に電車の中では読めないです。

是非お試しあれ。