2010年4月に入社し、1年10ヶ月働いたドワンゴを、このたび退職しました。(正確には今現在は有給消化期間中ですが)突然の退職で多くの人にもご迷惑をかけたと自覚しています、本当に申し訳ありません。快く送り出していただけた関係者の皆様には本当にいくら感謝してもし足りません。
在職中は一貫して、フィーチャーフォン向けのニコニコ動画/生放送の開発・運用を担当しておりました。僕は決して技術的に優れたエンジニアではない自覚がありますが、それでも振り返るといろいろな工程を担当させていただけて大変ありがたかったと思っています。
エンジニア的には分散Key-Valueストアのプロダクション導入や、ボトルネック計測のためOSSのシステムプロファイラをカスタマイズして導入したりしました。どちらも今でもサービスを脇から支えています。特にプロファイラはプロダクション環境でのボトルネック検出に役立ち、新しい機材の購入を不要にするなど、導入して良かったと思えるプロダクトの一つです。
チーム/プロジェクトマネジメントに関わる機会もいただき、(このスマートフォン全盛時代に!)第4のフィーチャーフォンキャリアに対応する開発プロジェクトのマネジメントを担当させていただいたりもしました。僕はコードを書き始めると周りが見えなくなってしまうので、やむを得ずコードを1行も書かずにマネジメントに徹し、メンバーの力をフルに発揮できるよう、質問に答える・決断をする・背中を押すことに注力し、期間内にサービスをローンチできたのが良い経験になりました。頑張ってくれたメンバーみんなに本当に感謝しています。このときメンバーの一人に「iskataさんと働けて今すごく楽しいです!」と言ってもらえたことが何とも嬉しくて忘れられません。
運用においては主に生放送周りを担当し、これぞ大規模サービスならではというしんどい思いも沢山することができて、今となっては良い経験ができたなぁと大変感謝しています。震災時のキー局のサイマル放送は、毎日家からリモートで監視しながら手動で映像切り替えをしたり、それを徹夜でツール化したり、非常時の高揚感も手伝ってか自分の関わる仕事が誰かの役に立っているかもしれないと感じたり、とても印象に残る業務でした。
退職の理由を一言で表現するのは難しいですが、バンド解散時にありがちな「音楽性の違い」という理由が言い得て妙な気がします。エンジニアとして一流とは言いがたい僕がバリューを出していくために、単なる開発者としてではなく、ビジネス的/企画的な見地からサービスを良くするためのエンジニアリングを推進していきたいと考えていたのですが、会社のカルチャーと提供しているサービスのどちらに対しても「音楽性の違い」を感じている状況では、サービスを良くすることに本気でコミットできそうにない、と長く悩んできました。
一方で、過去の自分を振り返った時、エンジニアとして一番楽しかった仕事だと思えるのは、ユーザー1000万人のコンシューマー向けサービスの開発ではなく、ユーザー100人の社内ツールの開発・ユーザーサポートでした。その理由をずっと考え続けてこんな結論にたどり着きました。
- 開発自体が好きなのではなく、何らかの課題をスマートに解決することが好きだということ
- 人の役に立つことをして喜んでもらえるのが好きだということ。
- コンシューマー向けのエンターテイメントより対ビジネスのほうが性格に合っていること
- 規模の大小に関係なく、対象となる何らかの課題について、それを解決することが必要だと心から納得できること
- 「何をやるか」よりも「誰とやるか」が重要であること
そして、僕が今の環境でそれを叶えるのは難しいと考え、会社を離れる決心をしました。
そんな中ありがたいことに採用のオファーを頂くことができ、2/1からは新しい会社で働きます。開発業務からは離れ、テクニカルサポート+クライアント対応を主業務とするアカウントマネージャー(顧客対応担当者)に従事することになっています。これまでに経験のない職種なのでかなり不安も感じていますが、頑張ります。
最後になりますが、今後もドワンゴが変わらず発展されますことを心からお祈りしております。短い間でしたがありがとうございました。